3.ヴェネツィア建築大学

Istituto Universitario di Architettura di Venezia

略して IUAV ユアブ と呼びます。

イタリアの大学制度

第1レベル 3年間の基礎課程
出願資格:高校卒業以上
取得学位:Laurea(Bachelor’s level degree)

第2レベル 2年間の専攻課程
出願資格:学士号以上
取得学位:Laurea Magistrale/Specialistica(Master’s level degree)

第3レベル 専門教育コース
出願資格:修士号以上
取得学位:Dottorato di Richerca

第1.2レベル一貫 5年間
出願資格:高校卒業以上
取得学位:Laurea Magistrale/Specialistica(Master’s level degree)

https://anokuni.com/university-ita/

一般的には、第1レベルの3年+第2レベルの2年、計5年で日本で言う「大学を卒業することができる資格」を取得できる。この制度になったのは、法的には1999年。でもイタリアなのでなんでも法律だけが先走って、システムが追い付かないってことがしばしば。日本人のブログなどで留学の情報を収集していた時(2002年)にも、旧制度の5年制度、とばかり思っていた。

イタリアの大学制度が変わった理由は、5年制だとなかなか卒業できず(入学数の10~20%程度)、断念して働く人が後を絶たず、救済措置としての新制度、と認識している。卒業できない理由は、生徒が悪いのではない。学校のシステム、先生たちのやる気、が問題だったと思われる。汽車が動かない(スト)から今日は学校まで行けないので試験ができませんとか、必須テストの日が重なっているとか。

日本で建築学科を卒業していた私の場合は、第2レベルに入学することができたのだけれど、確実に大学入学を果たすために第1レベルに入学することに。というか、そのような情報をイタリア文化会館が流してくれるわけでもなく、自分で調べる!と突き放され、本当に全くなにもわからないためにそうするしかなかったのでした。その頃の大学留学希望者は本当にオロオロしていたなぁと思いだします。

2.イタリアに夢中になったわけ

1999年の旅で はまった

  • 卒業旅行(1992)では全く心の琴線に触れなかったのに
  • 1999年の一人旅(計3か月)でイタリアに1ヶ月滞在
  • イタリアに住んでいる日本人を紹介してもらい、訪ねてあるいた
  • あわよくば仕事のお手伝いができるかも
  • そのためにイタリア語を付け刃で習う
  • そして、忘れてはいけないあのジョカトーレ

1999年の旅とは

会社員時代にも年に一度は海外旅行をしていたが、退職を機にあこがれていた長期旅行を実行。

  • デンマーク
  • オランダ
  • ドイツ
  • イタリア
  • タイ

デンマーク

  • 北欧デザイン押しの友人の影響
  • すべてがかっこいい

オランダ

  • 知人と会って、緊張の糸が少し緩む
  • オランダの建築、おもしろい(MVRDV、コールハースOMA、Mecanooだけではなく)
  • 身体は大きいのに、家が超ヒューマンスケール
  • 外国人に対して壁がない→居心地が良い
  • コーヒーショップと飾り窓地区 やばい
  • 運河の街、アムステルダム
  • 圧巻の風車群 キンデルダイク

ドイツ

  • 日本人がいっぱい、デュッセルドルフ
  • ベルリン、という元東側の国に来たことに興奮

イタリア

  • 知人の知人を訪ね歩く
  • ユースで知り合った日本人たち(何度も出会う、お父さん知ってる、等)
  • カルチョに はまる
  • ローマの超ド真ん中で一人きりのクリスマス♪
  • 旅女 全部盗られる

タイ

  • バンコクの三越で待ち合わせ
  • 優雅に★★★ホテルに滞在
  • トムヤンクンに はまる
  • 旅女 最大のピンチ

帰国後、渡伊までの3年間

  • イタリアでは英語を話す人々が当時多くなく、付け刃のカタコトのイタリア語でも、話せると本当に楽しかったので、もっとイタリア語を勉強しようと誓う
  • イタリアでお世話になった日本人建築家のコンペを手伝い、イタリアで働いている人の雰囲気を味わい、自分もイタリアで陽気に働きたい、という思いが募る
  • セリエA情報を追いかける。Jリーグも見に行く。

渡伊へのきっかけ

  • 独学でイタリア語を学ぶうちに、伊語に対する目標を見失う。
  • 仕事に不満はなかったが、海外に行くなら「今」しかない。(当時32歳)

イタリアへ

  • イタリア政府奨学金に応募するも不合格
  • 語学留学よりも、つぶしの効く大学入学を選択
  • カルロ・スカルパと縁の深いヴェネツィア建築大学を希望
  • 4~6月にイタリア文化会館に出願申請(イタリア生活を暗示させる序章だった)
  • 9月に入学試験

1.簡単な自己紹介

いたくら みつよ

1970 福井
1988 神戸で建築を学ぶ
1992 大阪でゼネコン設計部に就職
1999 退職、退職後3か月の1人旅
2000 某教育機関の子会社にて設計事務所開設
2003 渡伊、ヴェネツィア建築大学 入学
2005 一応 卒業、パドヴァに居を移す
2006 設計事務所で働き始める
2014 帰国、福井で就職
2016 設計事務所開設 今に至る