パッラーディオの肖像画はホンモノではない!?

元ネタ:http://www.elledecor.it/architettura/andrea-palladio-volto-mostra-palladio-museum-scandurra

後期ルネッサンスの建築家アンドレア・パッラーディオ(1508~1580)。
その業績は、有名なラ・ロトンダテアトロ・オリンピコにとどまらず、著書「建築四書」にて古典建築規範を研究・解釈し建築様式を定義し、後にイギリスや北米などでパッラーディオ建築(Architettura Palladiana)として広まります。

彼の活躍したヴィチェンツァの街は、「パッラーディオの街」としてユネスコの世界遺産にも登録され、シニョーリ広場の彼の代表作の1つバジリカ横には彼の像が立っています。

またパッラーディオ=下の人物像であることは、私達の常識といっても過言ではありません。

しかし、この500年もの間、世界中の人々が信じてきた彼の肖像画が、実はホンモノではない、ということがこのニュースにかかれています。

・・・パッラーディオの生存していた16世紀に描かれた肖像画は存在していません。
18世紀(1715~1720年)にイギリスにて、ロンドン在住だったイタリア人建築家ジャーコモ・レオーニ著「パッラーディオの建築四書」英語版出版の際、関係者によってパッラーディオの顔(Volto)が作り上げられました。またその数年後、1733年に次はイタリアにてテアトロ・オリンピコのガイド書が出版時に、また別の肖像画が使用されました・・・

・・・2017年4月、この未解決事件がホンモノと言われる2つの肖像画によって解決するに至りました。1つは、20世紀初頭にラ・ロトンダを買い取ったロシア人がそのロトンダで見つけたもの、もう1つは、アメリカの骨董市で売られていた画家ベルナルディーノ・インディアによるもの・・・

とはありますが、この記事は、現在ヴィチェンツァのパッラーディオ博物館で開かれている「アンドレア・パッラーディオ:顔のミステリー」展のプロバガンダで、このモストラには12のそれらしき肖像画が展示されており、あなたはどれがホンモノだと思いますか?というもの。

最後に展示会責任者が「何故パッラーディオは肖像画を残さなかったのか?」という疑問に対し、こう答えています。
・・・恐らく彼は典型的なヴェネト気質、引っ込み思案、だったのではないのかな。もしくは別の意図があったのではないだろうか。彼の本は、世界を変えるようなマニュアル本であり、実用的で美しいくそしてコストの掛からない建築としての解説本です。もしそこに彼の肖像画を入れてしまったら、「彼の本」になってしまう。入っていないからこそ、我々みんなに等しく実用的な本、となっているのではないでしょうか・・・

展示会「顔のミステリー」は2017/6/27まで